こんにちは。カメラマンのni28です。
大学の時に出会った教授の影響で政治・経済・社会に興味を持つようになりました。
教授の勧めてくれた『世界』(岩波書店)はクオリティマガジンと言われて、知識層のための雑誌です。

内容は、リベラル・反戦・人権・民主主義・環境・貧困・芸術など、弱者に寄り添うような論文・エッセイが多いです。

何が本当なのかわからない時代で、これから何が起こるのかわからない時代です。
クオリティマガジンは自分の中の判断基準を養成するのにとても有益です。

『世界』(岩波書店)を読み始めて10以上経ちました。

今回は、『世界』(2020年6月号)の中から「気候変動と民主主義(三上直之)」を読んだ感想をブログに書こうと思います。

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目次
  • 私たちが直面している危機
  • 対策としての気候市民会議
  • 気候変動は代表制民主主義と相性が悪い
  • 『サピエンス全史』の岐路に立ってる
  • 感想

私たちが直面している危機

2050年の脱炭素化に向けて欧州は動き出している。ただ、そこには気候変動対策による大きな負担があるのではないかという不安がある。公平を担保した対策をとるための方法として、「気候市民会議」が導入された。

フランスではマクロン首相が主導している。
「私たちが直面している(新型ウィルスによる)危機は国際貿易とグローバル化の拡大に起因しており、気候変動や環境悪化と同根のものである」
という認識のもとで行われているようだ。

対策としての気候市民会議

気候市民会議はくじ引きで選んだ市民によって行われる会議のことである。
英国では、110人を抽選で選ぶがその構成比は英国の縮図になるように人種や生活スタイルを鑑みて選ばれているようだ。
議題は
●英国は2050年までに温室効果ガスの実質排出をゼロにするという目標をどのように達成すべきか

といったものみたいだ。
市民会議は企画運営の専門家が行う。欧米はこのような組織の層が厚いみたいだ。
参考人として、「情報の専門家」がバランス重視で議論の前提となる情報を提供する。大学の研究者が多い。そして「意見の専門家」がそれぞれの立場を代表して意見を述べる。

そうやって抽選で選ばれた110人が数週間~数か月かけて議論をしていくようだ。

気候変動は代表制民主主義と相性が悪い

さて、なぜ気候市民会議のような手法が用いられ始めたかというと、代表制民主主義の困難さがあるようだ。
気候変動は地球規模・世代を越える問題のために、長期的視野や公共の利益は短期的視野や政党の利益の前に敗北してしまうようだ。

ようするに気候変動は票になりにくいから政治家の関心事項になりにくいらしい。

西欧でも、投票率の低下や無党派層の増加は問題になっており、民主主義の刷新が求められているようだ。

そこで出てきたのが、「抽選に基づいた民主主義」である。これは市民参加と熟議を期待されている。

『サピエンス全史』の岐路に立ってる

また、論文は従来の気候変動対策の根本的問題を2つ挙げている。
●満足感の誤謬:環境対策をして良いことをしていると満足すること
●ステルス戦略:人々を知らないうちに環境対策の方へ従わせること

気候変動対策はあらゆる場面で変化が必要だから、かならず政治的議論が必要になってくるので、上記の2つは問題だと指摘しているのだ。

大きな変化のためには多くの人の支持が必要になる。その支持なく大きな変化をおこそうとすれば、それは全体主義的な監視が待っている。

いま、僕たちは
①民主主義を拡充して権利の拡大をする
②全体主義的な監視社会で生活をする

という岐路に立っていると論文は述べている。


 

感想

僕たちは気候変動に伴う大きな生活様式の転換を求められている。それに向き合わないという事は、いずれくる全体主義的な監視社会に身をゆだねるという事だ。

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カテゴリー:教養
タグ:政治・経済・社会,世界(岩波書店)

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